2018年9月8日 不登校セミナー(第3回)

9月8日(土)今年度の不登校セミナー第3回が東市民センターで開催されました。今回のテーマは「15歳からの選択肢」ということで、中学卒業後の選択肢を「学ぶ」「働く」「休む」という3つの方向性で考えてみました。また不登校体験のある若者からも貴重な不登校体験を聴くことができました。
参加された方々は不登校児童生徒ご本人やその保護者、民生委員の方や不登校支援に関わっておられる方などで、皆さんが熱心に2時間半のセミナーを聴講されました。講演や体験談の後は、グループごとにそれぞれの感想や意見を出し合うディスカッションを行い、本日のセミナーをさらに深め合いました。
15歳からの選択肢では、本人の気持ちを聴くこともせず、親が無理やりに高校に進学させることは、ますます本人を苦しめるだけだということ。逆に学校にはもう行きたくないと思っている子は「働く(アルバイトを含む)」や「休養する」「好きな芸術活動をする」「旅行」「ボランティア」など多くの選択肢のあることを知るだけで、随分と安心することができるのではないかと提案されました。
不登校になると未来は無くなると思う人が多いですが、不登校ということを通して、学ぶこと働くことなどをしっかり考える機会を持つことが出来たのではないでしょうか。学校での進路指導はもっぱら公立の全日制高校を偏差値別に並べて、学力的にどのランキングの高校なら合格することが出来るかという、非常に幅の狭い選択肢しか提示されません。特に、不登校の子どもには通信制単位制の不登校生徒を受け入れてくれる高校が紹介されます。
私たちは、子どもたちには本当に多くの選択肢があることを伝え、自分でその道を決めて進んでこそ、子どもの自立や幸せにむすび付くのではないかと思っています。親があれがダメとかこれが良いとかの意見を押し付けて、子どもの自立を阻害しているケースをよく目にします。
これからの時代は実力や資格が重んじられます。学歴ではありません。どの学校を卒業したかではなく、何が出来るかです。未来にむけて、親子で夢を語り合いながら、具体的に話し合っていくことだと思います。
また、進学するにはどれくらいの費用がかかるなどの現実的な話し合いもするべきだと思っています。親が自分の未来のために、どんな覚悟で応援しようとしているかを伝えることになるのではないかと思います。
「学ぶ」「働く」の中間形として「働きながら学ぶ」=定時制高校などもあります。また「学ぶ」を選んだけれど、「働く」に変更することも可能です。そのまた逆も必要です。人生は長く、やり直しなども何度でも可能です。
大切なのは自分の未来を信じて歩もうとする意欲です。それさえあれば、「なんとかなる」ものです。その「なんとかなる」という子どもへの絶対的な信頼感を持てるかどうかが、親の大きな役割のように思います。
でも、なかなかそうは思えないかも知れません。そのために、自分の思いや考えを出して、それを聴いてもらい、違った角度から子どもも事を考えることで、未来が見えてくることもあります。私たちは考える場、話しあう場、受け入れられる場など当事者の居場所をいくつも設けて活動しています。一人で抱え込まないで、ご一緒に考えて参りましょう。
2時間半があっと言う間に過ぎました。会場を出られる方々nのお顔が安心されたような優しい表情になられていたのが印象的でした。私たちスタッフもそれを感じて、とても嬉しく思いました。