5/11 不登校セミナーレポート

5月11日(土)10時より福岡市中央市民センターで今年度第1回目の不登校セミナーが開催されました。今回の基調講演は「不登校の現状とその基本的理解」というテーマで不登校よりそいネット実行委員長 長阿彌幹生さんのお話でした。

 その中で「不登校が子どもをダメにするのではなく、不登校をダメと思っている大人が子どもをダメにする」ということが説明されました。不登校はダメなものでも良いものでもありません。子どもが何らかの理由があって学校に行けなくなっている状態のことを意味しています。それを、周りの大人が「不登校はダメなもの」という視点から考えようとするので、「不登校の子どもはダメなことをしている」と責められ、苦しむことになります。

 私たちが考えなければならないのは、その子の苦しさをまずは受け止めてあげることです。うまく言語化出来ずに苦しんでいることもあります。その時はやさしく包み込んであげて下さい。そして安心させてから、どうしたら楽になれるか、明るくなれるかを一緒に考えていければと思います。「どうして行けないのか」という原因究明よりも、「行けない」という事実を受け入れ、どうしたら元気になれるかを考えることではないでしょうか。

 基調講演の後は体験談を聴く時間でした。今回は二十代半ばで現在は会社勤めをされている女性です。小学校、中学校、高校、大学のそれぞれの時期に不登校になったそうです。不登校期間中、親はあまりそのことを責めたり咎めたりしなかったけれども、自分が不登校をしている自分を許せなくて苦しんだそうです。

 小学校、中学校は義務教育なので不登校でも卒業は認めらましたが、高校は出席日数が足りなくなり中退。高卒認定試験を経て、大学受験をし進学するも、再び不登校となり中退。大学の不登校期間中に資格を取得。その後、色々な職を経て、今の会社に就職し、水を得た魚のように楽しく働かれておられます。

 彼女は「親は悪くありません。皆さん一生懸命子育てしておられます。けっしてご自分を責めないように」と。子どもにとって、自分の子育てが間違った結果、不登校になったのではないかと自責の念に駆られて苦しんでいる親の姿を見るのはつらいものです。さらには、そのような目で自分が見られていることもつらいものがあります。

 体験談の後は、参加者の皆さんに小学校、中学校、高校・その他というようにお子さんの学年に応じてのグループに入ってもらって、セミナーの感想や、ご自分の思いなどを出し合いました。参加された皆さんがこのセミナーで何かしらのヒントを得られて、お子様との向き合いが明るく楽しくなればと思いました。

 次回は7月6日(土)10:00-12:30 東市民センターで開催されます。テーマは「子どもの人生を応援しよう~15歳からの選択肢」です。